エコシステムは、アライアンス、分業、コラボレーションと、何が違うのかまとめてみました。
共通点
エコシステム、アライアンス、分業、コラボレーションの共通点はたくさんあります。
強みを活かし、弱みを外部の⼒で補い、共生的な関係の構築し、共存共栄していく協調的な仕組みという枠組みという意味では同じです。
エコシステムの特徴
エコシステムと、アライアンス・分業・コラボレーションとはでは以下のようなの違いがあります
閉じた関係ではない
エコシステムは、系列企業間の取引のように閉じた関係ではありません。
アライアンスは、生産・物流・販売など特定の活動で連携し・水平分業するが、業務提携や戦略的提携などした特定のパートナーに限定れる閉じた関係です。
アライアンスを組む際は、業務提携や戦略的提携などの契約により、特手の相手と閉じた関係を作ります。
アップルグループやグーグル系列といった閉じた関係を作りませんし、親会社・子会社・グループ企業といった縛りもありません。
競争相手を排除しない
アライアンスを解消する際は、協力企業に技術やノウハウが流出するリスクを伴うので、系列の違う企業や、ライバル企業がアライアンスを組みにくのですが、エコシステムでは、時にはライバル関係にある企業が同じエコシステムを形成することもあります。
グーグルが、AppleのiOS端末に対して数多くのアプリを提供してもいます。
企業に限定しない
エコシステムでは、関係が閉じておらず、業務提携や戦略的提携などの企業間契約も不要なので、構成員の資格要件は緩やかです。
このため、エコシステムは、企業だけでなく、個人も構成員になりえます。エンドユーザ・消費者としての構成員だけではなく、商品ややサービスを生み出す側に立つことが可能です。
企業間の経済的な連携の仕組みという枠に、エコシステムは収まりません。
個人が参加するハッカソンによるエコスシステム創出や拡大も行われています。
依存関係ではない
Foxconnは、Apple製品だけでなく、SONY製品ももNokiaも、組み立てています。Appleからの仕事に依存する下請けではありません。
Apple側も、Foxconnだけでなく、Pegatron、Wistronなどにも生産委託しており、Foxconnの生産力に依存しているわけではありません。
地理的制約が無い
エコシステムでは、メンバー企業どうしが地理的に近い必要がありません。トヨタが工場を作ると、系列企業がその周辺に工場を作るといった地理的関係はありません。
地理的に近接した企業群と関連する諸機関が、相互に結びついて形成するクラスタとは異なります。
目標は各社独自
コラボレーションは、1つの目標に向かって、複数の企業がそれぞれ持てるものを提供し合い、1つにまとめて顧客に提供するが、エコシステムでは各社はかならずしも同一の目標を持っていません。